2014

  • ..zip DL

    【鏡音レン】あめ、かれるうそ【オリジナル】

    歌詞 指のない鳩が 珊瑚の足で歩く 静かな朝 雨はもうやんだようだ 口のない蟻が 海綿質の顎で食む 静かな朝 雨はまたやんだようだ ぐちゃぐちゃに 土朽ちて泡になりほろほろ煮崩れた 雲固まって礫になり僕に咲く蓮の花 そんな空想に満たされて 天気予報は雨 蔦の芽吹く頭を掻き混ぜて刈り取った 苔生した蝶が 胞子の羽で踊る 静かな朝 雨はもうやんだようだ 罅割れた犬が 瓦礫の鼻で廻る 静かな朝 雨はまたやんだようだ ぐちゃぐちゃに 飛び跳ねてぶつかって かけては増えてゆく 混ざらない色彩の群れ 僕に咲く蓮の花 そんな空想を喩えては 消えてゆくのは僕 錆び付いたまぶたを閉じて呟く 「     」 そんな空想に縛られて 微笑んだのはだれ わかれてゆく体に降り積もる雨の歌 拝啓 いつの日にか縋るだろう君へ 僕に映る全てを抱きしめてくれますか 拝啓 いつの日にか眠るだろう僕へ 君に宿った空想はまだつぼみをつけていますか 指のない鳩が 珊瑚の足で歩く 静かな朝 またひとつ枯れたようだ

  • ..zip DL

    【リン・レン・KAITO・IA】前夜祭の魔法【オリジナル】

    歌詞 藍を汚す星色砂糖菓子 零す冗句は笑顔の奥 招く合図に魔法を溶かして 眠らない夜誰になろうか 産声上げた祭の夜明けは 蝋燭と南瓜に閉じ込めて 差し上げましょう! 甘いキャンディ 甘いチョコレート 甘いビスケット 甘い悪夢を 受け取ったなら 頷いたなら 魔法をはじめよう! 誘う指先は褪せた香り 如何様の左手は背中に 「見せて!」「隠せ!」 「321 始まりだ!」 「もういいかい?」「まーだまだ!」 「足りない!」 「篝火を!」 「It's a show time」 始まりからお終いまで嘘ばかりだ 差し上げましょう 頂きましょう left→right→left→3→2→1 怖がらせて right→right→left 「Be quiet!」 噛み砕いた真実を手探り進め 最初からさ 繰り返すのさ 5→4→1→down→down→up 成り済まして 3→2→1 「Be quiet!」 Take off your persona! 蝙蝠の靴と山羊の外套で歌え Ho-Ho-Ra-Lu-Ra-Lu-Ra 愉快で奇怪なお菓子と一粒の魔法 夜が終わるまで踊れ 嘘の夢をてのひらに いなくなってしまった誰かさんを求め探し回るより 思い出の中の形を甘やかに飾り付けましょう 冷たい涙と小麦粉で焼き上げた偽りが 剥がれ落ちてしまう前に 歓びと喧騒を塗り付けよう それから? 強請る唇は溶けた香り 口付けた舌先から転がる 仮面の裏歪んだ音色で ひとかけらの色彩を 絡めて産み落とそう 二つの嘘を奏でるのさ “trick or treat” 錆び付いた呪文を 表裏と代わる代わる甘い甘い嘘と嘘を 並ぶ雑じる声と顔にかくして 二人歌う夜と過去と君の魔法 いただきましょう お菓子の夢 悪戯と 怖い声 「trick or treat」 Take off your persona! しゃがれた音色で怖がるふりをするから 両手を差し出して 愉快で奇怪なお菓子と繋いだ指先 ほら 怖がって見せて 嘘の夢はてのひらに 甘い嘘と引き換えに 僕達の願いが叶うまで!

  • ..zip DL

    【鏡音レン】flowery zombie【オリジナル】

    歌詞 おやすみの後なにかが 終わってしまったようだ おひさまは昇らないし なんだかのどが渇くよ そうだな きっと世界におしまいがきて 家族も友達も死んじゃったんだろう 伸ばした両手は探すため アンテナとダウジング 腐り落ちる前に 噛み付くのは守るため チャリティとサクリファイス 溶け崩れる前に 走れないけど 話せないけど 大事な人は覚えてるから おやすみの後なにかが 始まってしまったようだ おひさまは昇らないし おはようが言えないよ そうだね きっと世界はうたがわないまま 不安も期待もなく眠りについたのに 伸ばした両手は測るため ルーラーとコンテナ 爛れ落ちる前に 噛み付くのは救うため ランチとフェロウシップ 泡になる前に 赤い目玉は怖がらせたのかな とろけた指は気持ち悪いのかな 僕の言葉は声にさえ聞こえないのかな 眠れないけど 笑えないけど 大事な君は忘れないから 追いかけるよ 抱きしめるよ 同じ世界で同じになろう 伸ばした両手は探すため アンテナとダウジング 腐り落ちる前に 噛み付くのは守るため チャリティとサクリファイス 溶け崩れる前に 逃げ惑う君がいつか 銃口と憎しみを向ける時がきても 手を伸ばすよ 伝えたい想いが消えてしまう前に

  • ..zip DL

    【KAITO】ラインティックワークス【オリジナル】

    歌詞 毎日毎日ラインを見つめる 僕の目は優しいかな 毎日毎日運び出される 彼らはどこに行くのかな ある日社長がやってきて 満面の笑顔で仰った 「きみのうわさはきいてるよ」 「たのみたいしごとがあるんだ」 「光栄です。でも僕はまだ生まれ立てのようなもので」 「ご期待に沿えるか、まずはお話をうかがってもいいですか」 「おそらくは、いまよりずっと、おやすみがすくなくなるだろう」 「おそらくは、いまよりずっと、つかれはててしまうだろう」 「つくりだすよろこびもなく」 「だれからもかんしゃされず」 「むずかしさになやむこともない」 「でも、さぼってはならないし」 「ごまかしもつうようしない」 「たいくつさにあくびをすることさえゆるされない」 優しい笑顔と口調で紡がれる言葉がこわくって 震え上がった僕はただ やっとの思いで小さく手をあげた 「要約するとつまりは、一日職場に腰掛けて」 「運ばれる彼らを数えることもなく」 「眺めるお仕事ですか?」 「ごめいとう」 「それからもうひとつ」 「僕にその仕事を特別頼みたいと言うことは」 「そのくらいしかできないか、社長は僕がお嫌いなんでしょうか」 優しげな瞳はそのままで寂しそうに微笑んだ 「そうじゃない」 こぼれたのは小さく掠れた声 「きみじゃなきゃ、たのめないんだ」 「きみだから、たのむんだよ」 「たいへんでつまらないしごとだけれど」 「きみじゃなきゃ、つとまらない」 「きみだけが、えらばれたんだ」 「でも、たいへんなのはかわらないから、やるかどうかはまかせるよ」 そうして 毎日毎日ラインを見つめる 僕の日常がやってきた くる日もくる日もハートのお部屋で 流れる彼らを見つめる 退屈な職場は一人きり 暇つぶしさえ見つからない 毎日毎日運び込まれる 彼らはどこから来たのかな ある日社長がやってきて 満面の笑顔で仰った 「ひきうけてくれてうれしいよ」 「きょうもしごとはじゅんちょうかい」 「恐縮です。でも僕はまだわからないままなのです」 「ご期待に沿えるか、未だに不安で自信がないのです」 「それはそれはたんちょうで」 「じけんもなければへんかもない」 「このきょくみたいなしごとだとおもうかい」 ちょっとわからない言葉と 概ねはわかる言葉と やっぱり優しい笑顔で 社長は僕の隣に腰掛けた 泣きそうに目を潤ませて 少しだけ笑顔をゆがませて 驚いた僕の両手を 痛いくらい握り締めた 「つまらないおもいをさせて」 「わがままだっておもうけれど」 「ねがわくば、おわりのそのひまで」 「やめないでっておもうんだ」 「いつまでもっておもうんだ」 「きみがここにいてくれるだけですくわれるんだよ」 優しい笑顔と口調で紡がれる言葉が嬉しくて しゃくりあげた僕はただ やっとの思いで小さく頷いた あれから随分経ったけど 僕の仕事は変わらない 運ばれる彼らは途切れることもなく 退屈さも変わらない それからもうひとつ 僕のこの仕事がとても大事だってわかったから つまらないのは同じだけど ほんの少しは好きになれたんだ 毎日毎日ラインを見つめる 僕の目は優しいかな 毎日毎日続けるけれど 定時のチャイムはまだ鳴らない 就業規則は何千回も読み返した 丸暗記しても何万回も見直した   ひとつ よそみしてはならない ひとつ りせきしてはならない ひとつ かれらのかずをかぞえてはならない ある時に僕は気付いたんだ おそらく無意識だけど 運ばれる彼らが少しずつ減りだした 多い時もあったけど 少ない時もあったけど いつの間にか元に戻ったのに いなくなった彼らが もう二度と戻らないって 数えちゃいけないはずの約束を破ったんだ ある日社長がやってきて 疲れた笑顔で仰った 「随分長く勤めたね」 「そろそろ終業の時間だよ」 「光栄です。もう僕も随分疲れてしまいました」 「ご期待に沿えずに、社長との約束を破ってしまいました」 いつかのように腰掛けて 静かにラインを見つめる 皺だらけの横顔は ちょっぴりしぼんでいるみたいに見えた 「約束はもう良いんだ」 「破るつもりじゃなかったろう」 「君が困るとこを見たくなかったから」 「まるごと隠したかったんだ」 「それからもうひとつ」 「もう社長じゃない」 「一足先に終わったんだ」 「だからこの先は最後まで」 「ずっと一緒に君を待つよ」 そうして 毎日毎日ラインを見つめる 多分終わりはもうすぐだ 毎日毎日運ばれてくる 彼らも眠りにつくのだろう 退屈な職場は一人きり あんなにつまらなかったのに 毎日毎日ラインを見つめて 僕は笑顔を浮かべている 最後に社長に問いかけた 「僕がもしあの時」 「そんな仕事は出来ないと言ったらどうなっていたのですか」 「そんなのいまとかわらないさ」 「ほんのすこしだけはやく」 「きみにさよならと」 「ありがとうをつたえただけだよ」 「ありがとう」

  • ..zip DL

    【鏡音リン・レン】押し掛け接客係と夢の夜【オリジナル】

    歌詞 ひとつ釦の接客係が 「カクカクシカジカでお世話になります。」と 乗り込んできた午前4時 鶏も羊も夢の中 「それでお前さんは何が出来るの。」 頬杖はネグリジェを乱した 間抜け面の接客係は パチクリユビクリ瞬いて口を開いた 「お嬢様、あなた様はいとも容易く、 私めの想定を転がして裏切りの口付けをくださるのですね。」 御託はミルクに溶かし込んで ティーカップに色褪せた蒸留酒 染み付く湯気の行方より正答を待ち焦がれる つまりお前は頭がおかしいのね 最初からわかっていたけど 注文が欲しいのならば 今すぐ消えなさい 「申し訳ありません。聞こえません。」と そう言ったひとつ釦の接客係は 素晴らしい手付きで砂糖鉢を投げた 壁に砕けた陶磁器の欠片を拾い上げ笑い出す 嘘吐き女の注文は お砂糖と一緒に煮詰めて塵の中 仕舞い込んで差し上げます さあお早くお召し変えなさって 手を引かれて午前3時 誰もいない調理場へ 一人きりのお茶会は 粘ついた夜の香りのクッキーで頂く罪の味 ほろ苦い夢の味 つまり私は頭がおかしいのね 認めたくは無いけれど 傍らに佇む接客係が嬉しそうに笑う 上手に召し上がってカップを置いたら 思い出すよ 君を護るウサギの騎士 鎧のメイドは塵取りを片手に 話し相手のミス・ジョンソン 陽気な庭師はミスター・メアリ 御伽噺の箱庭で 無作法なお前にあげる役はないの それでも居座りたいなら 今すぐにお口を縫い付けて そして悪戯な指先が時計の針を戻すたび 招かれざる僕は 名も無き誰かを演じるのさ 愛しい君は今日も檻の中

  • ..zip DL1 / ..zip DL2

    【鏡音リン・レン】さよなら天国【オリジナル】

    歌詞 さよなら天国またきて地獄 地獄の沙汰にゃあ神が啼く 赤目ヶ原の夕暮れ時に 鴉が綯いたる格子や映え 泣かぬ千鳥の嗤う故 御手手繋いで遊びましょう 蛇の目印の旗本に 突いた憑いたとしたり顔 角は隠せど上の空 褪めて覚めても浅き夢 「さあ皆さんご一緒に」 さよなら天国また会う日まで また会う日には歌いましょう さよなら天国また会う日まで また会う日には愛しましょう さよなら さよなら さよなら また来世! 懐かしき未だ見ぬ極楽は どれほどに美しき 花を結んで蜜を含み和がれるのでしょう 「もう一回!」 産まれ出でたる桜花の園に 並ぶ悪事の錦や晴れ 鴉が泣いても遊びましょう 夕焼け小焼けもまた明日 連なる美辞は馬の耳 実に麗しき醜行と 角は無くとも上の空 覚めやらぬ儘浅き夢 恋焦がれ待ち望む極楽が どれほどに美しく 花を結んで蜜を含み和がれるとしても 見えなきゃあ意味が無い! 高嶺の彼の世に唾を吐き 眼前の欲望に前倣え そうすりゃあ 残念! 今生もまた地獄へと一直線 業や罪やと囃し立て 身も蓋も無き放埓よ 今ぞ此の時ぞ栄華なる 後先なんぞ蹴り飛ばせ 「さあ皆さんご一緒に」 さよなら天国また会う日まで また会う日には歌いましょう さよなら天国また会う日まで また会う日には愛しましょう さよなら天国また会う日まで また会う日には姦しましょう さよなら天国地獄に落ちろ 地獄に落ちたら今すぐさ さよなら さよなら さよなら また来世! さよなら天国またきて地獄 ひとたび落ちりゃあ極楽さ

  • ..zip DL

    【鏡音リン・レン】孤独な彼女の孤独の理由【オリジナル】

    歌詞 彼女は寂しくなかったのです。 彼女は悲しくなかったのです。 彼女は不幸じゃなかったのです。 彼女は・・・・・・ 気づいた時にはパパは無く 忙しいママの顔は忘れた 冷めた食事にも意味は無く おやすみの声は傍らの彼に 並ぶ人形は知らぬ間に増えた 宛名の無い手紙も崩れるほど増えた けれど彼女は寂しくなかった 友達に恵まれ恋にも落ちた 決して彼女は孤独ではなく 一人震える夜は無かった それでも 彼女はきっと寂しくて 耐え難い朝に泣いたのでしょう 「寂しくなんかない」と虚勢を張り 忙しいママを責めたのでしょう 気づいた時にはママも無く 眠るあの人の声も忘れた 冷たい墓石に意味は無く おはようの声は傍らの彼に 褪せた思い出に浸ってほどけた糸は 宛名の無い手紙と一緒に机の中 けれど彼女は悲しくなかった 友人に恵まれ恋も実った 決して彼女は孤独ではなく 一人嘆く朝も無かった それでも 彼女はきっと悲しくて 耐え難い夜に泣いたのでしょう 「悲しくなんかない」と虚勢を張り 優しい嘘を吐いたのでしょう 彼女はきっと憎んだでしょう 愛を温もりを羨んだでしょう 孤独な冷たさをひた隠して ママを パパを 怨んだのでしょう それでも 寂しくなんてなかったよ 悲しくなんてなかったよ 愛も温もりも覚えてるよ だから私を孤独にしないで 「寂しいでしょう」 「悲しいでしょう」 「苦しいでしょう」 「辛かったでしょう」 聞きたいのは悲劇の泣き言ですか 私はヒロインじゃない ママを愛しパパを愛し友を愛し彼を愛した 幸せな私じゃ及第点に届きませんか 彼女は寂しくなかったのです 彼女は悲しくなかったのです 彼女は不幸じゃなかったのです 彼女は孤独じゃなかったのです それでも彼女が孤独なのは あなたが彼女を“そう”したのです 一人にされた彼女は その時初めて泣いたのです 寂しいと悲しいと声を上げて 誰かの声を怨んだのです せつない嘘を吐いたのです 孤独な彼女になったのです

  • ..zip DL

    【鏡音リン】カミサマの雨【オリジナル】

    歌詞 世界はこの手にあるらしい 半信半疑で唾を吐いたら 瞬く間にふたつになって 勝手に愛を育んだ 世界は勝手に回りだす ふたつがみっつによっつに増えて また勝手に愛し合って 小さな箱を満たしてゆく ねえ、待ってよ。 そこに私を書き足してよ。 ねぇ、置いていかないで。 こんなつもりじゃなかったんだ。 私が生んだ世界に私の声は届かず 私が生んだ世界に私の居場所が無い 望んじゃいない世界で 望んじゃいない何かが 望まれて産まれてきたのだと 私じゃないカミサマに祈りを捧げた 世界はこの手にあったらしい 半信半疑に垂らした粒が 数え切れない愛を生んで 勝手に針を進めたんだ 世界は勝手に動きだす 産まれた理由さえ造りだして 都合の良いカミサマを 仕立て上げては殺してゆく ねぇ、待ってよ。 私はそんな名前じゃない。 ねぇ、置いていかないで。 私はずっと、ここにいるんだよ。 私が生んだ世界に私の意図は届かず 私が生んだ世界に私の役目が無い 望んじゃいない世界で 望んじゃいない何かを 望まれるままに眺めながら 私じゃないカミサマが死ぬことを祈った  私が生んだ世界に私を知るものは無く 私が生んだ世界に私だけがいない 望んじゃいないこの箱を 壊す事もできたけれど さよならを繰り返すこの世界を 同じように殺すカミサマにならないようにと望んだんだ 私が生んだ世界は君達にあげるから 私が生んだ世界をどうか愛していてね 寂しい気持ちも醜い祈りも飲み込むから ほんの少しだけ溢れた涙が 君たちの世界を濡らすのを許してね

  • ..zip DL

    【鏡音リン・レン】一人一夜【オリジナル】

    歌詞 ひふみと宵々逃げるが勝ちよ いつむと宵々惑えば最後 ななやと宵々もういいかい 未だよ未だよ ゆびきりしましょう 何処へ何処へ ゆびきりしましょう ひふみと酔々水面に浮かぶ いつむと酔々アノコが居らぬ ななやと酔々かくれんぼ 未だよ未だよ てのなるほうへ 何処へ何処へ てのなるほうへ 「もういいよ」 惑いて潜る現人よ 汝何を恐れるか 仰ぎて来る稀人よ 汝何を恐れるか いとしやアノコに飾りをつけて 遭いも遭わざるも夢見の朽ちに 秘色に深緋を手繰る先 何処へ何処へ ゆびきりしましょう 此処に此処に ゆびきりしましょう 宵々夜更けに弧介の宴 酔々余胤に羽の觴 善々世一とかくれんぼ 何処へ何処へ てのなるほうへ 此処に此処に てのなるほうへ 「まだだよ」 折っても折っても覚めやらぬ 射っても射っても消えやらぬ 畏れて刻め 諾々と 斬っても斬っても追い縋るは鬼の面 形代に宿りしは鬼の面 「もういいかい」 夜明けに落つる姫君に白寿の実を詰め込んで 言祝ぐ縁高らかに 契る袖は絶えて 翳して来る現人よ 此方何を手招いて 挿頭して潜る稀人よ 此方何を鎮む 廻り続くよう縋りし果ては結ばれ 互い互い興ずる秘め事は眩んだ 隠々箱の中 未だ未だ飽くこと無し 覗々夢現 未だ未だ明くこと無し 隠れたるわらべうた 未だ未だかぞえの途中 暇に接ぐかくれんぼ